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私の彼は****が好き

第9章 誰にも渡さない……っ

あたしはごくっと唾を飲む。


「い、いいの!?」


「大丈夫だよ」


もう何を言っても亜也ちんは引くつもりないみたい。


ガチャリと鍵穴に差し込むとノブを回した。


「……勇人ぉ?寝てるの?」


カーテンが引かれてる室内は真っ暗。なにも見えない。


「勇人入るよー?」


慣れた感じで亜也ちんは靴を脱ぐと。その背後でモゾモゾしてるあたしを振り返った。


「絵里も入りなよ?」


「……っ……え?……んー、」


亜也ちんにうながされて、戸惑いつつあたしも後に続いた。


パチッと亜也ちんが電気をつけると、室内は明るくなった。


床もテーブルも散らかってる。洗濯物は掛かったままだ。


でもそんなことより肝心の家主の姿はベットにない。


お風呂もトイレもぜんぶ見渡したけど、どこにも勇人くんはいないみたい。


「…………出掛けてるのかな?」




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