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私の彼は****が好き

第3章 映画館で…………

そうして映画館に着いた。


チケットを勝手に中に入ると、平日の昼間打からか、ガラガラに近いくらい空いていた。

隣も前も後ろも人がいない。


「なんか貸しきり状態だね」

あたしが言うと、タケルは「そうだね」って意味深に微笑んだ。

「……?」

そして10分くらい経つと、館内が暗くなっていよいよ始まった。


でもタケル、予想してた通り、五分もしないうちに私に頭を凭れてきた。

え、まさかほんとうに寝ちゃった?……早くない?

ちょっと呆れてタケルの頬をつつく。

「……んー、なに……」

タケルは小声で抗議っぽい声を出すと、つついたあたしの指をペロッと舐めた。


「…………っ!」


いくら人がいないからって……ぜんぜんいないわけじゃない、あたしは驚いて指を引っ込める。


映画終わったら、後で、ぜったいに怒ってやる!


でも軽く睨んでもタケルは余裕で笑ったまま。それどころか…………。

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