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片思いの彼には片思い中の彼がいる

第1章 二人の覚悟

「次は委員会決めなんだが…。推薦で1番多かった二人を学級委員にするからなー」

考え事をしているうちに
クラスでは色々なことが決まっていった

春「私萌瑠を推薦したからね!」

萌「えっ ちょっとやめてよ~ 二年連続は辛いって」

わたしは去年も学級委員で クラスの大役任されていた
正直 この仕事は嫌いではないのだが
学級委員になりたくなり理由がほかにあった

「では 推薦の結果をいうぞ~」

「女子は保盛透!男子は立川!」

おお~っとクラスの雰囲気が盛り上がる。
去年と全く同じだということに気がついた。

春「よかったね 萌瑠☆」

萌「あはははは」

春菜は本当のことを知らないためわたし達のことを応援してくれている。
話したいのもやまやまなのだがここは祐也の気持ちを尊重してしまう。

「では 二人にはさっそく仕事があるからな 放課後二人で体育倉庫を掃除してくれ」

萌「体育倉庫掃除…(笑)」

前の私が祐也と密室で二人きりになんてなっていたら
どうなっていたのだろう。
今頃きっと牢獄の中だ。

春「こんなチャンス二度とないよ!萌瑠、がんばって!」

萌「ありがとう、春菜」

この時祐也の表情はどんなだっただろう。
気にも止めずに放課後になるのを静かにまった。

####

HRの終わりを告げる鐘がなった。
日直の朝比奈さんが号令をかけ
二人の放課後が始まる。

春「じゃあ、先帰ってるね」

萌「あ、うん。ばいばい春菜!」

春菜は口ぱくで「がんばれ」と笑っている。
少し心が痛くなった。

春菜が教室から出たのを見計らって
私は帰りの準備をした。

そのまますぐに帰れるようにするためだ。

萌「よいしょっ…と」

一通り準備ができると
クラスには私と祐也しか残っていないことに気づいた。

祐「準備できた?」

萌「あ…まっててくれたの?」

祐「…。」

正直なんでこの時祐也が私に普通の顔で話しかけてきたのかはわからなかった。
でもそれに平然と応えた自分自身に1番びっくりした。

教室を出ると他の学級委員たちが廊下や多目的教室の掃除をしていた。

みんな話しながら楽しそうに作業をしていて
全然苦にはなっていなかった。

体育倉庫は体育館の裏にある
ホコリだらけの汚い倉庫。

古いだけあってドアを開けるのも精一杯だった。


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