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Tears ~緑のしずく~

第9章 切なすぎる、嘘。


今夜もまた
 時計だけが
果てしない時を刻む音が
 静寂の中に響く

私は
帰らないあなたを待ち続けながら
 ひとり長い夜を過ごす

 明け方
やっと私の隣に身体を横たえた
 あなたを見上げる
〝昨夜は、どこに行っていたの?〟
 この世の果てを見つめるかのような瞳で
 あなたは
 いつもの
 切なすぎる嘘を
 口にする
〝大学時代の友人と飲み過ぎていただけだよ〟

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