Tears ~緑のしずく~
第13章 22歳の花嫁~あの日に帰れるとしても~
偽りの恋を
真実の恋だと信じ込んでいた
愚かな娘は過去の想い出の中で
生きている
私の子どもたちは
私が彼らの父親と結婚する前に
結婚歴があると知ったときには
腰をぬかさんばかりに驚いた
別にわざわざ話す必要はないが
劃してくこともないと思ったから
話した
最近
図書館で
失恋ソング集というのを借りた
二曲目に懐かしいあの曲が入っていた
ユーミンの
〝リフレインが叫んでる〟
あの曲を聴く度に
今でも ほろ苦いビターチョコを囓った後のような気持ちになる
今では
自分の身にあれらが現実に起こった出来事とは思えず
相手の顔すら思い出させないほどのことなのに
何故か
あの歌だけが時折
ふっと耳奥によみがえる―
たとえ あの日に帰れたとしても
私たちは何度も
同じ運命を辿るだろう
そう あの日の私たちには
確かに2年後の別離が透けてみえていた
真実の恋だと信じ込んでいた
愚かな娘は過去の想い出の中で
生きている
私の子どもたちは
私が彼らの父親と結婚する前に
結婚歴があると知ったときには
腰をぬかさんばかりに驚いた
別にわざわざ話す必要はないが
劃してくこともないと思ったから
話した
最近
図書館で
失恋ソング集というのを借りた
二曲目に懐かしいあの曲が入っていた
ユーミンの
〝リフレインが叫んでる〟
あの曲を聴く度に
今でも ほろ苦いビターチョコを囓った後のような気持ちになる
今では
自分の身にあれらが現実に起こった出来事とは思えず
相手の顔すら思い出させないほどのことなのに
何故か
あの歌だけが時折
ふっと耳奥によみがえる―
たとえ あの日に帰れたとしても
私たちは何度も
同じ運命を辿るだろう
そう あの日の私たちには
確かに2年後の別離が透けてみえていた