
社長様のモノ
第2章 二人の関係
ガチャン、とドアが閉まる音がした後、私は一人になった。
社長さんが着ろと言っていた物を出すために、
金色のリボンで綺麗に飾られた白い正方形の箱を 見つめた。
そっ…と、蓋を開けると、
白の箱とは 裏腹に、真っ赤な薔薇のような色をした物が目に入った。
……………ドレス、だ。
箱の中から取り出して 広げると、
オフショルダーの形で、膝上10cmほどの長さで、体のラインがクッキリと出るドレスだった。
これを、着るの…?
私に着られるなんて、お洋服が逆に可哀想。
だって、このドレス…シルク素材みたいで、触り心地が高級すぎる。
平民の私が、こんなの着ていいんだろうか…
ドレスを手に持って、どうしようかと迷っていると、
–––––– コンコン
「まだか?早くしろ」
