
社長様のモノ
第2章 二人の関係
そして、ゆっくりと振り返り、私を見る。
「あ、姫の登場ですよ、社長」
執事さんが 社長さんに、ニヤニヤしながら言った。
社長さんは、何だか 顔が赤いし…
何の話 してたんだろう?
「中川 うるさい。
杏樹。もう着替え終わったのか?」
社長さんは執事さんに言い放って、私のほうに近づいてきた。
「あの、ね…ファスナー…閉めてほしいの……」
目の前に立った社長さんに言い、下ろした後ろ髪を左側に寄せ、前に持ってくる。
そうすると、うなじが見える。
クルリと回転して、背中を向けると、
社長さんが私の背中を押し、部屋の中へ押し込んだ。
