
社長様のモノ
第2章 二人の関係
律さんは、カタカタと片付けをしながら 言った。
「………はい」
私は 椅子から立ち上がり、元きた道を戻っていく。
さっき居たところに戻ると、ソファでうたた寝をしている煌貴がいた。
私はそっと近づき、顔を覗き込む。
「かわいい…」
…寝顔は可愛いのにな。
長くて綺麗な睫毛が伸びて、ほんと、可愛い。
ジーッと暫く 見てると、急に 目が開いた。
「なにが可愛いって、杏樹?」
意地悪く尋ねる彼に、私は 顔を真っ赤に染める。
「いっ…いってないっ……////」
「今更 言い訳しても遅いんだけど?」
「ゔ……////」
息が詰まる私に、煌貴がソファから立ち上がった。
そして、私の後ろに向かって 手を上げた。
「ありがとな、律。また よろしく」
後ろを振り返ると、律さんが立っていた。
「あぁ。じゃあな」
律さんも、煌貴に向かって 手を上げていた。
