
社長様のモノ
第2章 二人の関係
律さんのいる建物を離れて、次に連れて来られたのは
靴屋さん。
律さんのいた建物もそうだけど、とても豪華で セレブな人たちが来そうなところ。
庶民の私が、永遠に無縁なとこ。
なのに、なぜ私はココに……
「ん。コレに決定だな。コレでいいか?杏樹」
ひとりブツブツと靴を選んで、ひとつの靴を持って 私に見せた。
私は ハッと我に返り、目の前のモノを見つめた。
私が着ているドレスと似た感じの色合いで、
真っ赤でシンプルなハイヒール。
シンプルだが、高級感が周りに漂っている。
「えっ…と、私が、履くの?」
この靴屋さんに来てるのは、自分の靴を選ぶためかと思っていた私は、煌貴にそう尋ねた。
すると、はぁ?と呆れた顔で 言った。
「お前以外に誰がいるんだよ、アホ。
ほら、サイズは?」
耳を少し赤くして、威張った口調で言った。
私まで、顔が赤くなる。
