
社長様のモノ
第2章 二人の関係
「…秘密♪」
その一言だけを言って、煌貴は私が今履いている靴の会計をしに行ってしまった。
秘密って…
なんか嫌な予感がする…
私は 煌貴の後を追いかけようと、立ち上がる。
すると、グラッと体がバランスをとれない。
私は慌てて 壁に寄り掛かり、ふぅ、と息を吐く。
危なかった…
久しぶりにヒール履いたから、バランスとれないんだ。
会社だから、あんまり高くないヒールを履いてたし。
私は壁伝いで 煌貴に近づき、煌貴が会計を終え、私の元へ来る。
「行くか?」
「……うん」
私はそっ、と壁から手を離し、一歩 踏み出す。
その瞬間、
「ぅわっ…」
見事にバランスを崩し、煌貴の背中にしがみ付いた。
煌貴がビクッと肩を震わして、後ろに振り返る。
バチッと目が合い、直様 私は 大理石の床を見つめる。
