
社長様のモノ
第2章 二人の関係
恥ずかしい…
ヒールごときで 転ぶなんて…
「杏樹。ヒール初めて?」
煌貴が私の手を取り、私を支えて言った。
「初めてじゃないけど…、久しぶりで…」
私は小さくか細い声で言い、更に下を向く。
「…それなら、他の買うか」
「え⁉︎ か、買うの⁉︎ 大丈夫だよ‼︎ 歩けるもん‼︎」
また他の買うなんて、そんなコト出来ない。
お金がもったいないし…
私は煌貴の手を払い、店の入り口までズカズカと歩いて見せる。
クルッと振り返り、煌貴を見ながら言う。
「ほら、大丈夫だよ‼︎ って…ぁ…‼︎」
ニコッと微笑んだ瞬間、視界がグラリと歪んだ。
