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twin★love

第11章 11★君のため

そう思いながら少しズキズキと痛む腕の傷をそっと触った。

授業が始まっても蓮は帰ってこない。

『まさかあのまま三島さんと…』

そう思うとどんどん灰色のもやもやが心の中に広がり、先生の声も耳を通り抜けていく。


「こら!松崎!遅いぞ!」

蓮がようやくクラスに姿を表したのはお昼休みを過ぎた五時間目の授業中。

「すみませーん、頭痛くて保健室行ってましたー。」

亜子にはわかった。

蓮はウソを付いている。

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