濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
楽しい朝食を終え、台所で皿を洗っているゆりなの姿があった。
同棲ってこんな感じな のかな…
元の時代に帰りたいけ ど…でも…この生活も 悪くないかも……
…って、わたしっ何考 えてるのっ
月蔭との生活を妄想して、ゆりなは独り顔を赤くさせた。
「もう終わるか?」
「えっ!?う、うんっ… 」
直ぐ後ろから聞こえてくる月蔭の声に、ゆりなはドキッとして我に返った。
月蔭は、ゆりなの後頭部にキスをしながら包み込むように抱き締めた。
「あ…月蔭…?」
いきなりっ!?
しかもこんな所でっ…
どうしようっ…手がふ さがってて身動きとれ ないよ…
突然の事にプチパニックになっているゆりなをよそに、抱き締めたまま今度は耳元に唇を寄せた。
「あ…」
「お前の着ていた着物は 部屋に置いておいた
…俺はまた少し屋敷を 出るが…留守番できる な?」
「え…うん…」
「絶対に俺が居ない間、 屋敷から出てはいけな いぞ」
「わ、わかった」
わかったから耳元で囁 かないでぇーっ…
「じゃあ、行ってくる… 」
そう言うと、月蔭はゆりなから離れ居間を後にして行った。
また独り残されたゆりなは、少しホッとした様子で後片付けを再開した。
何もなくて良かったよ うな…ちょっと残念な ような…
…って何考えてるのっ
…どうしようっ…まだ 胸がドキドキするっ…
「はぁ~…」
ゆりなは、顔を赤くさせながら息苦しそうに息を漏らした。