濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
屋敷に戻った2人は、居間で食卓テーブルを囲んでいた。
テーブルの上には、塩握り6つに味噌汁、野草のお浸しとたくあんが並べられていた。
「いただきますっ」
「ああ」
ゆりなは味噌汁を口にするなり、満面の笑みをこぼした。
「美味しいっ!
料理上手なんですねっ 」
「慣れだ
そんな事より、よく食 べられる野草がわかっ たな」
「前に田舎のおばあちゃ んと一緒に山菜採りに 行った事があってっ」
「そうか
…前から気になってい たんだが、何故たまに 敬語になるんだ?」
「えっ…それは…月蔭は 年上っぽいから敬語の 方がいいかな~と思っ て…」
やっぱり変だったかな …
あまり使い慣れてない から、気を抜いちゃう と敬語で話すの忘れち ゃうんだよねっ…
「敬語でなくていい」
「あ…はい……じゃなく て…わかった…」
「クスっ…」
口元を緩める月蔭を見て、ゆりなも嬉しそうに味噌汁を口にした。