濃密 恋絵巻
第2章 ~歪んだ想い~
「…ゆりな…」
耳元で低く色っぽい声が囁かれ、ゆりなはドキッとして顔を赤くさせた。
名前を呼ばれただけな のに…ドキドキして胸 が苦しいっ…
「…お前は良い匂いがす る…」
「えっ?…な、何もつけ てないけどっ…」
香水なんてつけてない し…
…体臭的なにおいって ことかな…?
それはそれで恥ずかし いっ…
「…はぁ…ゆりな…」
熱い吐息が耳元にかかり、ゆりなは反射的に固く目をつぶり肩をビクッとさせた。
なんか…今日の月蔭か なり色っぽい気がする っ…
どうしようっ…さっき よりドキドキしてきち ゃったっ…
月蔭に心臓の音聞かれ ちゃうかもっ…
「…あの……月蔭…」
ゆりなは背中に回していた手を解き、様子を伺うように月蔭から離れようとした。
だが月蔭は離そうとせず、そのまま少し強引に唇を重ねた。
「…ん……ふ……」
いやーーっ!!
朝から刺激が強すぎる っ…
激しく舌が絡められながら、そのまま布団に押し倒されてしまった。
月蔭を見ると、顔が赤くなっていてなんだか息苦しそうな感じがした。
「…月蔭…?具合でも… 」
「…はぁ…いや……大丈 夫…だ……」
額にうっすら汗を滲ませ、月蔭は力無くゆりなの身体の上に覆い被さるように倒れてしまった。
「つ、月蔭っ!?どうし たのっ!?
しっかりしてっ!!
月蔭っ!!」
下敷きになりながらも必死に身体を揺さぶるゆりなだったが、月蔭は意識を失ったまま全く反応を示さなかった。