濃密 恋絵巻
第2章 ~歪んだ想い~
とっくに日が上り詰めた頃、開けたままの襖から強い日差しが顔を直撃してゆりなは目を覚ましたた。
「…ん……」
あれ…?わたし……
気が付けば布団に寝かされていて、隣を向けば月蔭の美しい寝顔が超アップで視界に入ってきた。
えっえっ…どうなって るのっ!?
寝起きには刺激が強す ぎるかもっ…
「もう毒は中和されたよ うだな…」
いつの間にか月蔭は目を覚ましていて、ゆりなは驚いた勢いで飛び起きた。
「あ…わたし…」
そうだ…わたし女の人 に毒針?を刺されちゃ って……
「全く運のいい奴だ
あの猛毒を1日で中和 出来たとは…」
「あの……ごめんなさい ……約束破っちゃって …」
「そうだな
一つ間違えば死んでい たところだった…」
月蔭の鋭く真剣な眼差しがゆりなを射抜き、その迫力に思わず固まってしまった。
その時、月蔭の腕が伸びてきたかと思うとそのまま引き寄せられた。
華奢な身体は月蔭の胸の中にすっぽりと収まり、痛いくらい強く抱き締められた。
えっ…
「本当に無事で良かった …」
「あ…心配かけて…ごめ んなさい…」
「お前を失いそうになっ て…たまらなく怖かっ た…」
微かに震えた月蔭の声に、ゆりなは胸が締め付けられる感覚に襲われた。
そして、背中に腕を回しギュッと抱き締め返した。