「先生、食べちゃっても良い?」
第9章 特別室 その弍
そんな迷いを証明するように乱れた熱い息と火照った体。
私……どうして迷ってるの?
キョウ君の事信じられないの?
キョウ君が若くて女子に人気があるから?
私なんかと、全く釣り合わないから?
…そうか。私、自分に自信が無いんだ。
だから日向先生の言葉にも、簡単に惑わされてしまう……。
キョウ君は人を裏切るような子じゃないって分かってるのに。
「…脱がねーなら俺が脱がすぞ」
ぼんやりしたまま考えている内、日向先生の言葉が振って来ると私ははっと我に返って顔を上げた。
「だ、だめ……!!」
「じゃあおねだりしてみろよ。可愛く言えたら……お望みのいやらしい事たっぷりしてやるけど?」
「そんな事っ! 望んでません!!」
本気なのか、やっぱり私の事からかってる……?
私の反応に日向先生はふっと口角を上げ、急に抱きしめていた私の体から両腕をはなす。
そして私の顎を人差し指でくいっと上げると、真剣な瞳でそのまま私を見つめた。
「楽しい事はとっとかないとな。…少し時間をやる。曽根崎と別れて俺のところに来たら、その時写メも消してやる。曽根崎と俺、どっちと付き合うか一週間で選べ」
「…は? いきなり何を……だから、何で日向先生と付き合わないといけないんですかっ!!」
「好きだから」
「…………はい?」
今、さらりと好きだからって言った?
日向先生が私の事を好き……?
違うよね? 私、からかわれてるのよね……?