「先生、食べちゃっても良い?」
第10章 浴室
ハアハアと荒くなった呼吸を整えながら、私はそんなキョウ君を黙って見つめる。
するとキョウ君は胸の愛撫を止め、またニコッとやさしく微笑んだ。……かと思うと、私に向かって今まで聞いた事のない様な低い声で質問する。
「先生、俺と日向先生のどっちが気持ち良かった?」
この言葉の意味を理解するのには、いったばかりでまだ意識がぼーっとしている私には時間が掛かる。
「……えっ? どういう意味……?」
しかし、キョウ君の顔から笑顔が消え、鋭い眼光で睨まれると、急に鼓動が速くなり背筋が凍った様な感覚になった。
「今日特別室で日向先生としてたじゃん。バレてないと思った?」