「先生、食べちゃっても良い?」
第11章 教室
キョウ君と別れてから早一カ月が経った。
私はキョウ君から別れ際に言われた事を守り、自分から話し掛け様とはしないし、キョウ君からも話し掛けてくる事はあれから一度もなく、ただ何の為に生きてるのか分からない様な時間ばかりが毎日過ぎていた。
声を聞きたくてもすぐ側にキョウ君がいない事が酷く辛く、最近じゃこんな具合だと授業に支障をきたす為、教師をやめようとさえ考え始めている。
……失恋なんて初めてじゃないのに、どうしてこうも平常心でいられないのだろう。
気づくと私は放課後、誰もいない教室に入り、キョウ君の机の前に立っていた。