「先生、食べちゃっても良い?」
第12章 特別室 その参
翌日、私は昼休みになると特別室へ向かった。
此処が一番キョウ君との思い出がある場所。
此処でキョウ君から告白された事もあり、思い入れも強い。
……此処へ来るのは今日で最後にしよう。そして、もうキョウ君の事は忘れよう。
そう決意しながらドアの前に立つと、ドアノブに手を伸ばし、ドアを開けようとする。
……が、中から突然声が聞こえてくると、ピタリと動きを止めた。
「あっ……ふうっ……キョウゥ……だめぇ……」
その声で中に誰がいて何をしているのか、すぐに気づく。
……この声は、山田さん?
『キョウ』って事は……今、特別室には山田さんとキョウ君がいるの?
……私とした様に、二人は今抱き合ってるの?