「先生、食べちゃっても良い?」
第15章 キョウの部屋
……そのままお姫様抱っこされ、キョウ君の部屋にまた連れて行かれると、私はベッドへ優しく降ろされた。
そして鎖のついた首輪に下着姿のまま唇にキスをされ、このままSEXの流れになる……んだろうと思っていたんだけど。
「はあっ……んっ……」
舌から糸を引きながらキョウ君が唇を離すと、ほぼ同時。
両手首に冷たい感触がしたかと思うと、カチャッと金属音が部屋に響いた。
この音、なんか聞き覚えがある……まさか……。
「キョウ君……?」
私は恐る恐る手元を見る。
すると……そのまさか。いつの間にか私の両手首には銀色の手錠が嵌められていて。それに驚いてキョウ君を見ると、キョウ君は……私を見て笑いながらベッドから降りて、首輪の鎖を握っていた。
……えっ? 何この状況。
まるで悪魔の様なキョウ君の笑顔に、つい後退りしながら背筋を凍り付かせてしまう。
キョウ君は彼氏なのに……怖いと思うなんて。
でも何故だろう。怖いと思う方が当たり前な様な気がする。