「先生、食べちゃっても良い?」
第19章 おまけ2
「心配なんてする必要ないよ……? 誠ちゃんはただの従兄弟だし……」
「ああ、もう! さっきから何!? その呼び方!」
「だって誠治って名前だから誠ちゃんって呼んでるんだもん……」
「俺以外の男の事をそんな親しい呼び方で呼んでんの?」
もう口を開けば開く程、キョウ君の事を怒らせている気がする……。
けど、本当にキョウ君に言う通り、誠ちゃんはただの従兄弟。
子供の頃からよく遊んでいて、兄弟のいない私には弟のような存在。
……やましい気持ちがないからキョウ君に相談したのに。
「……良いよ。すれば? 従兄弟の家庭教師」
明らかに拗ねてる……。
むすっと唇を尖らせ、私から顔を背けるキョウ君に、私は何と言って良いのか分からず。
「うん……」
おとなしく頷く事しか出来なかった。
この判断が間違っていたと思わされる事になろうとは、まだ知らずに……。