「先生、食べちゃっても良い?」
第19章 おまけ2
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「誠ちゃん、相変わらず物覚え早いね。私も教えがいがあるよ」
時刻は午後の12時を回り。
私の実家の元私の部屋で数学を誠ちゃんに教えていた私は、誠ちゃんがきりのいいところまで問題を解き終えると、手を止め、ニコリと微笑んだ。
久しぶりに人に勉強を教える事が出来て楽しく、あっという間に時間が過ぎた。
誠ちゃんの家庭教師を始めてもう一週間経つけど、誠ちゃんが明後日実家に帰ると思うと名残惜しい気持ちにもなる。
「あ、もう12時だからお昼ご飯食べようか」
教科書を机にしまう為、立ち上がると。
「昼飯食べたら、今日も彼氏のとこ帰るの?」
誠ちゃんから尋ねられ、振り返りつつ答えると。
「うん、そうだよ」
私はテーブルの前に座ったままの誠ちゃんを見ながら、またニコリと微笑んだ。