バラードは君だけに
第3章 彼氏
海斗は私を見て、にこっと笑う。
ロンリーガール?
ま、まぁ確かにそうですけど。
海斗が戸惑っている私に言った。
「君いつもマスクしてるけどさ」
「えっ」
「具合とか悪いわけじゃないんだろ?」
「…あの?」
「一度素顔を見てみたかったんだよね。綺麗な目、してるから」
「っ…」
「顔、隠すなよ。もったいないじゃん、そんなに可愛いのに」
そう言い海斗は私の隣りに座ってきた。
一瞬、私の頬がこわばる。
「なんでいつも一人でいんだよ。
友達とかいなくて寂しくない?」
海斗はクラスでも頭が良い方で、スポーツ万能だ。それにイケメンだから、一年生の女子にもモテていた。
そんな海斗が、私の心配をしてくれてる…。
同じクラスになって、まだ一度も話した事がなかった。