バラードは君だけに
第4章 フラッシュバック
「ごめんね海斗、こんな私で。黙っているつもりだった…」
「美羽は何も悪くない!ちくしょーその親父、オレがぶっ殺してやる…っ!!」
「お願い、むちゃしないで!」
私は強い怒りを露わにした海斗に、びっくりしていた。
「でもなんでそんな大事な事、すぐ母親に知らせなかったんだ!?」
私は首を横に振って答えた。
「うちの母は、昔から私に全く関心がない人なの。学校からのおたよりや連絡帳も、ほとんど見てくれなかったし…。だから最初から話す気もなかった」
「信じられない…。君はそんな寂しい家庭で、生きてきたのかっ…」
結局私は、海斗を悲しませてしまった。