バラードは君だけに
第8章 モテる君
「今兄貴が迎えに来るから。ちょうど家にいて良かったよ」
「湊さんにわざわざ来てもらうなんて、私申し訳ないわ…」
「いいからオレの言うこと聞いて。江口のヤツ、またどこかで待ち伏せしてるかも知れないんだ」
「…うん」
心配症な海斗にあきれながらも、私は心のどこかで、湊さんに会える事を喜んでいた。
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校門付近で待っていると、私の目の前に見覚えある車が止まった。
!!
中から降りてきた湊さんを見て、私の胸がぎゅっとなる。
「海斗から聞いた。さあ乗って」
「すみません」
私はどきどきしながら、助手席に座った。