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バラードは君だけに

第2章 逆境


母が再婚したのは、私が小四の夏。
私はお父さんができて、すごく嬉しかったんだ。


だけど…それが悪夢の始まりだったなんて。

ーーーー

ある晩の事だった。
寝ていた私は、唇に何か違和感を感じてうっすら目を開けた。


すると…暗がりの中に父の顔があった。

え、お父さん?

私は思わず目をギュッと閉じて寝ているふりをした。

もしかして私にキス……した?
もう私は眠気などふっとんでいた。

すると父は、今度は私の布団へ入ってきた。

「やっ!」


「しーっ、静かに。美羽はほんとに可愛くていい子だね」

ドクン、ドクンと心音が激しさを増す。
隣の部屋には母がいるのに、私は固まって声も出せなかった。

いやっ…触らないで!!

お願いやめてっ!!!


ーーーー

私をいやらしく触ると、やがて父は部屋を出て行った。


「お母さんには絶対内緒だよ」

との卑劣な言葉を残して……。

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