バラードは君だけに
第9章 本心
次の朝。
「きのうは参ったな〜。補習が終わったの十九時だぜ?おまけに宿題まで出されて…ふぁぁ、おかげで徹夜だよ」
「そうだったんだ…」
「そうそう、あれから兄貴に無事送ってもらえたんだよね?」
「うん、すぐ来てくれた。あ、それからね」
「なに?」
「なんと保護者会に、湊さんが来てくれるの」
すると、海斗が驚いた表情を見せた。
「えっ!兄貴が保護者会に?へぇー、以外とまめなんだな…」
「海斗?」
「まっ、オレの彼女をそこまで大事にしてくれて、こっちとしてもありがたいけど。そっかぁ、良かったじゃん」
「うん!」
その時、私はまだ気づいていなかった。
海斗の胸に小さく沸き上がった、湊さんへの疑問を……。