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バラードは君だけに

第10章 壊れてゆく心


次の朝。
教室に入ると、サオリとレイナが早速私の所に来た。

サオリ「おはよっ、美羽」

レイナ「はよ」


「おはよう」

私は本能的に何かあると、二人に身構えた。


サオリ「ねーねー、きのうの人が親戚のお兄さん?」

案の定、サオリが興味しんしんで聞いてきたのだ。


「うん、そうだよ」

サオリ「ちょっとびっくり。だってスッゴいイケメンなんだもん!
年はいくつなの?」

「んと、二十二歳かな」

レイナ「そんなにかっこいい人なの!?
あたしも会いたかったぁ」


サオリ「でも…保護者っていうより、なんか恋人同士みたいな雰囲気だった」

「…っ!そ、そう?」

私はサオリが何気なく発した言葉にどっきりした。

レイナ「美羽、浮気しちゃだめよ?あんたには海斗という彼氏がいるんだからね」


「あ、あたりまえじゃない…もうっ」


レイナ「あははは、冗談だってば。
ねぇところで、夏休みの予定決まった?」

サオリ「うちの彼は実家の仕事手伝わされるみたいだから、今年は泊まりで遊びに行くの無理ね」


レイナ「そうなんだー。あたし達はね…」


二人には湊さんが海斗のお兄さんだとは、知らせていなかった。

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