バラードは君だけに
第12章 束の間の愛に
私がハンバーガーなら食べられると言ったら、湊さんは快くドライブスルーで二人分を買った。
そして着いたのは、前に私が一人で泊まったホテル。
湊さんがBGMのスイッチを入れると、静かな室内に流行りのメロディーが流れ出す。
食事をしながら私は湊さんからいろんな質問をされた。
夏休みの宿題はたくさんあるのか、プールは何メートル泳げるか、一番退屈な授業は何か、好きなアイドルは誰かとか。
たどたどしく答える私に、湊さんは微笑みを浮かべ、真剣に聞いてくれた。
考えてみれば、私も湊さんについてよく知らない。
「今度は私から質問しても、いいですか?」
「ああ、いいよ」