それは恋のレッスン
第2章 ☆ブラックコーヒー
‟結婚“
その二文字に必須なものはその相手。想像での結婚は一人でも出来るけれど、実際に…となれば新郎が必要で。その為には、恋愛、もしくは見合などの二文字が付きものだった。
ドラマや小説などのフィクションや、親が決めた許嫁でも居ない限りは、出会いなくして、結婚はありえない。
でも、若い時に苦い恋を経験したせいで臆病になってる私がいて。そのせいで二十八歳にもなって・・・ほぼバージンだなんて恥ずかしくてとても話せる事でもないから、知っているのは親友の恵美子ぐらいなもの。
でも悲しいかな、この歳になってくると、周りの友達の体験話や私の事情は知らない友達から相談を受けたりする機会があったりする。そのおかげで知識だけは知っていた。
だから、後輩達からその手の恋愛話を相談されれば、自分の経験では無いにしろ、当たり障りが無い程度に答えることは造作もないことで。
‟ほぼ″って言うのは一度だけは経験有りってことだ。苦い恋と言ったところで、不倫とかそんな人の道に外れるような大それた恋ではない。良くあることだと言ってしまえばそれまでの、私の嫌いな煮詰まったブラックコーヒーみたいな恋だった。