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それは恋のレッスン

第2章 ☆ブラックコーヒー


 八年前・・・。

 二十歳の私は、好きだと相手から告白されて、当時の彼となんとなく付き合い始めた。
 二人姉妹で、高校も女子校な生活環境は、年頃になった時に周りにいるのは女子、もしくは年上の男性ばかりで、同世代の男子の姿がないということで。
 現実の男性を目にする機会が少ないせいで、私は男性の心理や生理に疎い夢見る夢子ちゃんだったのだ。

 それでも、デートはそれなりに楽しかった。

 一緒に行った動物園や遊園地では、お化け屋敷で彼からリードするように手を握られた。
 手を繋いだ時は、私の心臓の音が聞こえるんじゃないか、なんて。そっちばかりが気になってしまい、正直お化け屋敷のおばけなんて全然眼中になかった。お化けよりも、緊張で汗ばんでしまった手の平が気になって。そのせいで嫌われちゃうんじゃないか・・・とお化け屋敷から出た瞬間、自分からその手を離してしまうぐらい初心な私だったんだ。



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