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それは恋のレッスン

第3章 ☆長谷川書道教室


「美緒、例の教室はみつかった?」
「ねぇ、お習字って今は流行んないのかなぁ。教室……探しているんだけど、なかなかみつからないんだよね」


 課長との一件があってから、すでに四日程経っていて。給湯室で恵美子と一緒になっての話題は自ずとその話になった。

 教室を探しているのに見つからないことを打ち明けると、恵美子は「ちょっと待ってて」そう言って給湯室から出て行ってしまった。


―――どうしたんだろ?


 話の途中で急に給湯室から出て行った恵美子に疑問を覚えつつも、ケトルのピーッとした音に、ここにいる本来の目的を思い出し手を動かす。

 カップにセットしてあるドリップコーヒーに、ゆっくりお湯を注ぎ入れると、コーヒーのいい香りが立ち上がった。

―――コーヒーって、ブラックでは飲めないけれど、いい香り。






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