
デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
放課後
1日の授業を終えた黒斗はさっさと鞄に荷物を詰め込み、足早に教室を出ていった。
大神の顔を見るのが嫌だったからだ。
今、大神の顔を見れば、朝の醜悪(しゅうあく)な笑顔を思い出し、怒りを爆発させてしまうかもしれない。
特に今日はストッパーでもある鈴が居ないから、尚更だ。
昇降口に辿り着き、自分の下駄箱を開く。
しかし
下駄箱に入っていたのは下履きではなく、1枚のメモ用紙だった。
「…………」
無言でメモを手に取り、書いてある文字に目を通す。
[やーい、ざまーみろ! バーカ、バーカ! by クラスのイケメンより]
ビリッ
地味にイラッとした黒斗はメモを引き破り、辺りを見回す。
「プッ……クスクス」
廊下の陰から笑い声が聞こえ、その場所へ向かうと内河が爆笑を堪えていた。
「いい気味だ月影の奴! 下履きを美術室に隠したことも知らずに……」
相変わらず、心の声がだだ漏れの内河から下履きの場所を聞きだし、美術室へと向かう。
