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第1章 Episode 1 断罪者



その様子をジッと見ていた鈴が、黒斗の後ろの席から声をかけてくる。


「なーんか無愛想なやっちゃなあ。クロちゃんよりもネクラな人がこのクラスに来るとは思わんかったわ」

「誰がネクラだ。俺は暗いんじゃない、クールなんだ」

「コラー!!」

怒声と共に黒斗の額へと白いチョークが衝突する。


「いでっ!」

「ホームルーム中にお喋りは禁止だと何度も言ってるでしょーが! ホラ、大神くんも何処でもいいからさっさと空いた席に座りなさい!」

少々短気で怒りっぽい佐々木は態度の悪い転校生と私語をつつしまない黒斗に完全にご立腹のようであり、不機嫌を隠すことなく大神に着席を命じた。


「…………」


これまた無言のまま大神は窓際の一番後ろを目指して歩みを進める。

途中、黒斗の席の横をすれ違った際、大神は殺気のこもった瞳で黒斗を見詰めた。


「ん?」

黒斗が視線に気付くと同時に大神は目を反らし、空席へと向かった。


「どないしたん?」

「……見られたような気がしたが……気のせいか」


特に気にする事なく黒斗は前を向き直した。

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