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第1章 Episode 1 断罪者



下校時間となり、手早く帰り支度を済ませた鈴は直ぐ様黒斗に声をかけた。

「クロちゃん、行こか」

「ああ」

その様子を見ていた周囲の同級生がすかさず冷やかしにはいる。

「ヒューヒュー! まーたネクラと橘がデートだデート!」

「橘ぁ、お前もネクラの何処がいいんだよお」


ちなみに“ネクラ”とは黒斗の蔑称(べっしょう)である。

真っ黒な髪と、黒色が好きで若干暗い性格(本人はクールと言い張っている)から付けられた。



「うっさい! デートやないって何度言えばわかるんやー!」

鈴が拳を振り上げて否定するが、同級生達はニヤニヤ笑ったままである。

「ほっとけよ。好きに言わせとけばいいだろ」

「クロちゃんがそんなやから、つけあがるんやで…全く」


ぶつぶつ不満を呟きながら、鈴は黒斗と共に恵太郎が入院している赤羽病院へと向かった。

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