
デスサイズ
第1章 Episode 1 断罪者
「まさか……死神が俺達を殺しに来たんじゃ!?」
「死神って、あの無差別に人を襲ってるってアレ? 馬鹿馬鹿しいわね、そんなの居る訳ないじゃない」
幽霊やU.F.Oなど、非現実的なものを信じない江角は死神など居ないと吐き捨てるが、平田が食いかかる。
「死神は本当にいるんだ! 死神に襲われた生存者たちは皆、口を揃えて黒いフードを被った髑髏(ドクロ)の仮面の男にやられたと証言しているし、現場に被害者の血痕が残っていても、傷口は全く無い! 人間には不可能な所業だ!」
「貴方、警察でしょ? 死神だなんて騒いでないで、さっさと捕まえなさいよ。夜も落ち着いて歩けやしないわ」
深い溜め息を吐き、腕を組んで江角は更に続ける。
「黒フードと仮面は単なるコスプレ! 傷口が消えているのは、きっとうまいこと細工をしているからよ! 全く……貴方が死神なんかを信じているだなんて……」
「あ、あ……あ…………」
青ざめた平田が震えていることに気付き、江角は言葉を止めた。
「なに?」
江角の問いに、平田は震える指で彼女の後ろを指さす。
ゆっくりと振り向いた江角の目の前には、髑髏があった。
「ヒッ!」
いきなり髑髏を目にした江角は驚き、1歩後ろに下がる。
そこに居たのは、髑髏の仮面をつけた黒フードの死神だった。
