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第1章 Episode 1 断罪者






─何度目だ?





「っ!?」

突然男の声が聞こえ、驚いた平田が部屋内を見回した。

「どうしたの?」

平田の不審な行動に江角が訝しげな視線を送る。

「今……声がしなかったか? 男の……」

「いいえ、聞こえなかったわ。大体、他に誰か居る訳ないじゃない。空耳じゃない?」

特に気に止めていない江角だが、平田には確かに声が聞こえた。

そして今も、江角ではない誰かから見られているような不気味な感覚がしている。

気味が悪くなった平田は立ち上がり、警戒の態勢をとった。


「おかしい……人の……俺達以外の気配を感じる!」

「変なことを言わないでよ。誰もいないじゃない」


呆れたような言い方をする江角だが、平田は警戒をとかない。


気配はすれども姿は見えず。

この奇妙な感覚に、平田はある考えに至った。

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