
デスサイズ
第1章 Episode 1 断罪者
江角の言葉に死神――月影 黒斗は何も答えない。
「顔を見せるだなんて随分と余裕じゃない」
「これから死ぬ奴に顔を見られたところで、困りはしないからな」
江角の背中に隠れていた平田が、おずおずと顔を出す。
「し、知ってる奴なのかい?」
「ええ。うちの病院に来てた学生よ」
その言葉を聞いた平田は立ち上がり、余裕の笑みを浮かべた。
「は……ははっ。何が死神だよ、普通の人間じゃないか! こんな子供が俺達を殺そうだなんて、百年早いんだよ!!」
平田は素早く拳銃を取り出すと同時に、黒斗の眉間に銃口を向けて引き金をひいた。
ズガアァァン
撃ち出された弾丸は黒斗の眉間を貫き、そこから勢いよく血が噴き出した。
(やった!)
平田が思わずガッツポーズをとる。
