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第1章 Episode 1 断罪者



「まあええやない。ご飯は一人で食べるより誰かと食べる方がウマいで! ほら、座って座って」


促されるまま、渋々と席につくとテーブルにゴチャゴチャな形になったスクランブルエッグと黒焦げの食パンが置かれた。

「……こりゃまた酷いもんだ」

「別にええやろ! パンは失敗したけどタマゴは安定の味やで」

呆れ果てたような視線を送るが鈴は全く動じない。

まあ鈴の料理は見た目が不味そうでも、味は非常に良いので余り文句は言わない事にする。



料理に手をつける黒斗と鈴の間に沈黙が流れる。

いつもならもっと喋る筈の鈴が無言であることに不審を抱き、思い切って黒斗は口を開いた。


「……何かあったか? 元気ないみたいだが」

黒斗の言葉に鈴の肩が強張るが、間を置いて視線を合わせてきた。

「……ショック受けんといてや? あんな…ケイちゃんがな……“死神”に襲われたんや」

「なにっ……!?」

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