百鬼夜行左藤家黙示録
第11章 命の鍵奪還作戦
はっきり言ってこんな展開は
確率で言ったらそうとう薄いだろう
ほんの数分後ならば
私は部外者で済んだはずだ
「こっちはしらみ潰しに
ここら一帯探してたんだよ!
まさか盗まれた場所の
こんな目と鼻の先だったとはな!」
「ちょっと待って下さいよ!
僕達中学年ですよ!?
車なんか盗めるわけないじゃないですか!」
始まったようだ
おそらくこういう状況下における
交渉力では右に出るものはいないだろう
「たったしかに…
じゃあ誰が盗みやがったんじゃ!
こんな事が組にバレたら…
とにかく返さんかーい!!」
私はたしかに見た
義明の口元が笑っていたのを