
百鬼夜行左藤家黙示録
第14章 友情の価値は
実は私のクラスメートであるこの男は
阿部という不登校の引きこもりである
といっても全く学校に来ないわけでは無く
月に1回くらいは顔を見せる
しかし風呂は年に1回という
クラスでは触りたく無い物体を担当
「久しぶりだな!
お前も左藤に用事か?」
「ああ…
こいつにゲームソフト代渡して
まだ貰ってないからさー」
「それっていつの話?」
「3日前とかかなー?
まあ左藤は新品で定価以下で
買ってきてくれるから
そんくらいは待つさー」
私は確信した
義明は盗んできたものを売っている
この2人の間には需要と供給が
成り立っているのだ
阿部も渡す額を間違えれば
泣きを見る日も来るだろう
そんな事よりも今は義明である
恐らくゲームショップで
仕事をしているはずだ
