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百鬼夜行左藤家黙示録

第14章 友情の価値は


私は義明の行きそうな店を回ったが
見付ける事が出来なかった

そこで考えた
義明はこのように何日も家を開ける時
決まってお気に入りの漫画喫茶に泊まるのだ

だいたい夜中から12時間パックで入り
それ以外の時間帯
つまり日の出ている時間帯は
常に万引きをしている事になる
なぜそう言えるかと言うと

野球選手は引退したとしても
生涯野球は上手いままだろう
だが現役でいる以上は
上手かろうが強かろうが
ほぼ毎日反復練習するのである
何故ならそれがプロだからだ

残念ながら義明は万引きの技術が
一向に上達しないため
万引きのオリンピックがあっても
予選敗退に終わるだろう

ただしプロ意識というのはやたら高く
その反復練習だけは欠かさないのだ

つまり義明とは無意識の内に
特に目的が無くとも万引きをする
という事なのである

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