百鬼夜行左藤家黙示録
第15章 儚い希望
「なになに?営業妨害?
今忙しんだけど!」
「お前真面目に
働いてんじゃないのかよ!?」
「いやいやいや!
働いてんじゃん!いちゃもんか?」
「だからそれは仕事じゃねーだろ!
ただの犯罪だろ?」
「じゃあお前が金貸してくれるわけ?
ひとつ教えとくけどな
綺麗事じゃ金は生まれないんだよ!」
「なんかよく意味わかんないけどさあ…
盗まれた店の気持ちにもなれよ…」
「うわー!ここにきて偽善者発動かよ!
店のオーナーたったひとりの悲しみと
俺から買った尊いみんなの幸せは
比べるまでもねーんだよ!」
こういった犯罪者特有の考えの人間とは
決して話がまとまる事がないのである
毎度の事で呆れた私は
ほとぼりがさめるのを待つことにした