百鬼夜行左藤家黙示録
第15章 儚い希望
だが私の考えとは裏腹に
義明の店は繁盛し続けた
ブームというのは異常で
流行りだすと飽きられるまで
尋常じゃない需要を生み出す
そしてそのシャーペンを持ってないだけで
時代遅れ扱いされるのだ
ましてや中学生というのは
校内の流行にはそうとう敏感なのである
だが義明だけが甘い汁を吸う世の中ではない
「おい!お前誰に断って商売してんの?」
まあ現代社会でいう暴力団みたいなものだ
「お前この事警察とかにチクっていい?」
「てかとりあえず売上全部出せや!」
どの社会にもこんな話はあるものである