百鬼夜行左藤家黙示録
第15章 儚い希望
だがそんな無敵モードにも
時間制限があるというのに
義明本人だけはそれに気が付かないのである
今日は昨日よりそしてまた今日よりもと
毎日少しづつギアを上げて万引きしていれば
当たり前のように捕まる日がきたのだ
そして顔馴染みの警察官との対面は
至極当然の成り行きなのだろう
「おい左藤くん!いい加減にしろ!
いったい何回目だ?」
「…覚えてません」
「家の電話もないんだよね?
しょうがないから学校電話して
担任の先生に来てもらうからね!」
そして担任が到着したところで
義明の秘策が炸裂する
「先生!お巡りさん!
聞いてくれ!
俺は悪くない!無実なんだ!
学校の不良に殺すと脅されて!
俺はまだこの若さで死にたくないんだー!」