百鬼夜行左藤家黙示録
第15章 儚い希望
「実は今までの万引きも…
全部ヤンキー共の脅しなんだ…
先生っ!!」
「なっ!なんだね左藤くん!」
「ありがとうございます…
先生が来てくれたから
本当の事が話せたんです…」
「そうだったのか…
気付いてやれずに悪かったよ…」
迫真の演技により
義明の非行歴を知ってる警察官でさえも
目に涙していた
もちろん演出効果を上げるために
義明も嘘泣きしていた
だがそれにより次の日
緊急学年集会が体育館にて行われた
さすがの義明も
ここまでは完全に予想外だったようだ
「この学年である生徒に
万引きを強制させてたのはだれだっ!」
担任の一喝とともに
過半数の生徒の白い目が
義明に向けられた
当事者の義明は
ひたすら曇り空を眺めていた
またあの暗い日々が来ることを予感して