百鬼夜行左藤家黙示録
第16章 京を駆ける忍
最高学年となり最初のイベントは
待ちに待った修学旅行である
だが当然今の私にはそんな行事は
ただの苦行でしかない
おまけにそんな試練を乗り越えたところで
なんの得もないただの悠久の時なのだ
このように私の思考回路は
どんどん暗い方へ堕ちて行くのだが
天の光が脳裏に差し込んだ
そう左藤家は金が無い
つまり修学旅行は行けないという事だ
私も性格が悪いのだろう
小走りで義明の席に近付く
「そういや来月
修学旅行あるな!
楽しみだなー!」
「そーだなー!
中学最大のイベントって感じだよな!」
「……??
えっ?お前行くの?
金とかどうすんの?」
「何わけわかんない事言ってんだよ
自分が行くんだから自分で払うだろ!」
「!!??」