
百鬼夜行左藤家黙示録
第16章 京を駆ける忍
初日は町を回り旅館を目指す
学年全員で行動していては
さすがの先生も1人いないのには気付けない
こうして1日が無事終了したかに思えたが
義明はまだ戻って来なかった
でも義明が捕まれば
先生に連絡がいくだろうし
そうなれば私も捕縛の対象である
つまり我が身に何も起こらない以上
全てはうまくいっているという事である
と自分に言い聞かせ眠りについた
だが次の日になり
だんだん焦りが生じてくる
最終日のため義明が戻らなければ
いくらなんでもバレるだろう
もしかして本当に何かあったのではないか
だが清水寺に到着後
そんな焦燥すら生ぬるい
まさに背水の陣たる状況が起こった
担任が各班ごとに注意事項を説明してから
各自出発という宣告をしている
これはもう終わったも同然である
そんな最中なにやら外国人が隣で叫んだ
「ザッツグレイト!」
「オー!ジャパニーズニンジャ!!」
