テキストサイズ

百鬼夜行左藤家黙示録

第4章 左藤家潜入調査


階段は古いためかこの家への怒りと悲しみか
踏み込むたび大きく軋み
まるで断末魔のように聞こえる

私はこの音に警戒されぬよう踊り場で止まり
覗き込む用に義男の様子を伺った

「はあやあく酒をつがんかあい」

「わしの酒がのめんのんかあ」

どうやら誰かと酒盛りをしているようだ

いや違う

何度見ても
義男は間違いなく1人だ

幻覚を見る程の酔っ払いを見るのは
中学生の私には少々刺激が強く
好奇心よりも危機感のほうが勝っていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ